透析コラム
Column
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「糖尿病だけど人工透析は必要?」
「糖尿病患者が人工透析を受ける時の注意点は?」
糖尿病は日本人に多く見られる疾患の1つで、人工透析を受けている患者さんのなかでも、糖尿病を患っている方は多いです。この記事では糖尿病患者がなぜ透析治療を受けるようになるのか、糖尿病患者が透析を受けるとどうなるのかを解説します。
糖尿病とは血液中に含まれる血糖値が増えてしまう疾患です。
私たちは食事を取ると血糖値が上昇します。通常であれば「インスリン」というホルモンが血糖値をコントロールする役割を持つのですが、糖尿病の場合さまざまな原因で血糖値のコントロールができないのです。
糖尿病は主に、
の2つに分けられます。
血糖をコントロールするためのホルモンであるインスリンは、すい臓から分泌されます。糖尿病患者さんではインスリンが正常に働かなくなり、結果として糖尿病を引き起こします。
インスリンが上手く働かない原因として以下の2点が挙げられます。
インスリン分泌低下
インスリンの分泌が減る現象のことを言います。血糖値が上昇すると、すい臓から大量にインスリンが分泌されます。その状態が続くとすい臓が疲労してしまい、インスリンが分泌されづらくなるのです。
また、1型糖尿病の場合は自己免疫の影響でインスリンを分泌する細胞の「すい臓ランゲルハンス島β細胞」と呼ばれる細胞が破壊され、インスリンの分泌が減ってしまいます。
インスリン抵抗性
インスリンは正常に分泌されていますが、上手く働かない状態のことを言います。インスリンを受け取る器官の感受性が低下してしまい、作用が鈍くなることで血糖値が下がりづらくなります。そうなると、すい臓はよりインスリンを作ろうと大量にインスリンを分泌するため、すい臓が疲労してインスリン分泌低下を引き起こしてしまうのです。
インスリン抵抗性が上がってしまう原因として、以下のような要素があると言われています。
糖尿病の初期症状は以下のようなものが挙げられます。
これらの症状は初期段階では気づきにくく、糖尿病を自覚せず過ごす方も少なくありません。
血糖値が上昇し続けると症状も進行します。
これらの症状が進行すると糖尿病の悪化が疑われます。その場合は病院を受診し医師に相談しましょう。
糖尿病が進行するとさまざまな合併症を併発します。そうなることで腎臓の働きが低下してしまい、人工透析が必要となるのです。
糖尿病に人工透析が必要な理由を詳しく解説します。
糖尿病が発症することで起こる合併症の一つに「糖尿病性腎症」があります。糖尿病になり血糖値が上がると、血管が傷つきやすくなります。そうなることで毛細血管と呼ばれる細かい血管が集まっている腎臓の「糸球体」と呼ばれる組織が壊れてしまいます。
腎臓の役割は血液中の老廃物や余分な塩分を除去することです。これにより体内の水分量などを調整するのですが、糖尿病で糸球体が壊れてしまうと老廃物の除去が行えなくなり「糖尿病性腎症」になります。
糖尿病を適切に治療しなければ、20年から30年で腎不全になると言われています。透析患者の約4割は糖尿病を抱えており、糖尿病は透析になる最大の要因です。
糖尿病性腎症となってもすぐに透析治療を行うわけではありません。初期の治療では食事療法や服薬などで、血糖値や血圧をコントロールして症状の進行を防ぎます。
人工透析が必要となる場合は、腎臓の働きが10%を下回った時だと言われています。腎臓の働きが低下すると、体内では老廃部の除去を行えなくなるため人工透析が必要です。人工透析は機械を使って腎臓の一部の機能を肩代わりします。つまり、老廃物を除去し、体内の水分量などを調整します。
人工透析とは関係なく、糖尿病と診断された人の寿命は糖尿病のない人の寿命よりも10年程度短いという報告があります。
一方、人工透析を行っている患者さんの平均寿命は、健康な人と比較して半分程度と言われています。
具体的には、「慢性透析患者 2020年1年間の生存死亡状況に基づく平均余命」の表を参照すると、50歳の人工透析を受けている患者さんの平均寿命が男性で17.4年、女性で19.8年となっています。
一方、健康な人の場合、平均寿命から考えると50歳の場合、男性で約32年、女性が約37年です。
よって、糖尿病のある透析患者の寿命は上記のデータよりもさらに短いことになります。
しかし、これらのデータはあくまでも平均値のため必ずしも個人に当てはまるわけではありません。透析治療の発展により平均寿命は徐々に伸びています。継続して人工透析を行うことで安心して生活を送ることができます。
透析では除水も行うため、透析直後は血圧が下がりやすいです。特にベッドから立ち上がる時に急に血圧が下がり、立てなくなる患者もいます。
これを起立性低血圧と呼びます。起立性低血圧の主な原因は自律神経反射です。
糖尿病のある方は糖尿病のない人に比べて自律神経反射が起こりやすいため、起立性低血圧が生じやすいのです。
糖尿病がある人は免疫不全状態にあることが多いです。透析患者も免疫不全がありますが、糖尿病のある透析患者はさらに免疫不全が進んでいることがあります。
また、炎症があっても痛みを感じにくいため、感染に気がつかないこともあります。
軽い風邪から数日で重症肺炎になり、亡くなるケースもあります。糖尿病のある透析患者は感染症の進み具合が急激なので注意が必要です。
一般的には、糖尿病のある患者さんが透析になると、糖尿病自体は透析になる前よりも改善されることが多いです。
理由は、尿毒症のために食欲が落ちること、ドライウェイトを守るようになること、血糖以外にもカリウムやリンなど食事内容に気をつけるようになること、透析治療で血糖が安定すること、などがあります。このため、インスリンや経口血糖降下薬を減量することが可能です。
東京で人工透析を受けたい糖尿病患者さんは、東京ネフロクリニック西日暮里へお越しください。
東京ネフロクリニック西日暮里は個人用透析装置を採用しており、個々の患者さんの特徴に応じて、カーボスター(無酢酸透析)と処方透析を選べます。また、お仕事をされている患者さんのためにオーバーナイト透析も行っています。
クリニックへのアクセスもJR山手線や京浜東北線、東京メトロ千代田線、日暮里・舎人ライナーの「西日暮里駅」からすぐの好立地です。駅から徒歩わずかでお越し頂けますが、無料の送迎サービスも対応しています。
人工透析の治療経験が豊富な専門医が在籍しているため、糖尿病患者さんも安心して透析治療を受けることができます。
公式サイト | https://tokyo-nephro-nishinippori.com/ |
休診日 | 日曜日 |
住所 | 東京都荒川区西日暮里5-24-7 冠ビル受付6階 |
電話番号 | 03-3806-1201 |
アクセス | JR山手線・京浜東北線「西日暮里駅」徒歩0分 東京メトロ千代田線「西日暮里駅」5番出口徒歩0分 日暮里舎人ライナー「西日暮里駅」メトロ・JR線連絡口徒歩2分 |
糖尿病にかかるとすぐに人工透析が必要ではなく、まずは食事や内服による血糖値のコントロールを行います。腎機能が低下したときに人工透析を始めるため、まずは悪化させないよう食生活や運動習慣を持つことが重要です。
人工透析が必要となった場合は、体調を維持するためにも治療を継続する必要があります。東京都で透析治療を行いたい方は東京ネフロクリニック西日暮里へご相談ください。